登録看護師あたり入院患者数が病棟平均を25%超えた日には死亡リスクが5%上がる
Nurse staffing, nursing assistants and hospital mortality: retrospective longitudinal cohort study
背景
登録看護師(RN)の配置レベルと提供医療のレベルとの関連が様々に研究されている。英国University of SouthamptonのGriffithsらは、2012~2015年の一般病棟RNと看護助手(NA)の人員配置の日変化と患者アウトカムの関連を検討する後向観察研究をおこなった(n=138,133)。一次アウトカムは入院後30日以内の院内死亡である。
結論
院内死亡率は4.1%であった。死亡リスクは、RNの人員配置が平均以下の日1日毎に3%増加した(aHR:1.03)。入院開始から5日以内のRNによる1時間の追加ケアは、3%の死亡リスク低下と関連した。RNあたりの入院患者数が病棟平均を25%超えた日は、死亡リスクが5%上昇した。NAの人員減は死亡率上昇と関連していたが、また人員増も死亡率上昇と関連していた。
評価
看護師の人員配置問題に関する研究は多いが、この研究は1施設ではあるものの十分なデータ数で定量的な結果を導いた。著者らは、RNによる1時間の追加ケアは、24床の病棟各シフトへのRN1名追加に相当する、と推定している。NAが多すぎるリスクは微妙な問題で、オーストラリアの急性期病院研究では院内死亡は減ったが救命失敗・尿路感染症・転倒外傷が増加した、という(http://www.journalofnursingstudies.com/article/S0020-7489(16)30155-9/abstract)。