6ヶ月・1歳児の夜間の断続的な睡眠は発達に影響しない?
Uninterrupted Infant Sleep, Development, and Maternal Mood
背景
睡眠は小児期の身体・精神的発達に重要だが、乳幼児期における連続した睡眠と発達との関連は。カナダMcGill UniversityのPennestriらは、6ヶ月・12ヶ月の乳児の睡眠・発達(BSID-II)・授乳(母乳)・母親の気分(maternal mood)(CES-D)を調査し、それらの間の関連を評価した(母子388組)。
結論
6・12ヶ月の乳児の27.9〜57.0%が夜間に連続した睡眠をとっていなかった。夜間の連続した睡眠と現在または後の身体・精神的発達、および母親の気分に有意な関連はなかった。夜間の連続した睡眠は授乳率の低下と関連した。
評価
乳幼児の睡眠問題は広く関心が持たれる基本問題で、20年以上前から研究されてきている。初期データに基づき欧米を中心に4ヶ月からの早期睡眠介入が推奨されている一方、6ヶ月までの母乳哺育が推奨されていて、相反するアドバイスが養育者を混乱させてきた。この論文は、最もベーシックな点を再検討した研究により特に介入する必要がない、とした。日本では一般的に受け入れられるとみられるが、欧米では更なる議論が起こりえる。