薬剤性肺障害研究は「メタアナリシスに値しない」
Drug-Induced Interstitial Lung Disease: A Systematic Review
背景
薬剤起因間質性肺炎(DIILD)は重要な病態で、多くの研究がなされているにもかかわらず世界的な実態は不詳である。英国University of ManchesterのSkeochらは、156文献(6,200症例)のデータを統合するシステマティックレビューを行った。
結論
データは全般に質が低く、メタアナリシス不適であった。DIILDの世界的罹患率は4〜12/100万人、ILD中3-5%を占めると推定される。抗がん薬・リウマチ薬・アミオダロン・抗菌薬が最も一般的な原因であった。DIILD特有のX-pパターンは同定されなかった。いくつかの研究は50%を超える死亡率を報告しており、全体として全患者の25%が呼吸器系因死亡していた。ステロイド剤はDIILD治療のために使用された最も一般的な薬物であったが、その効果に関する前向研究はなかった。
評価
DIILD研究の現状がメタアナリシスに値しないこと、「標準」とみなされているステロイドの効果に関しRCTが存在しないこと等、重篤障害としての取り組みが不十分あることを示す衝撃的な系統レビューである。