血清尿酸値への食事内容の寄与は少ない
Evaluation of the diet wide contribution to serum urate levels: meta-analysis of population based cohorts
背景
食事内容はどの程度血清尿酸値に影響するのか。ニュージーランドUniversity of OtagoのMerrimanらは、一般集団の血清尿酸値の集団変動に対する食事内容と遺伝子変異の寄与について、5コホート研究を用いてメタ解析を行った(n=16,760、ヨーロッパ系米国人)。一次アウトカムは、平均血清尿酸値と血清尿酸値の変化である。
結論
全コホートにおいて、7食品(ビール・リキュール・ワイン・ジャガイモ・鶏肉・ソフトドリンク・獣肉)が血清尿酸値上昇と関連し、8食品(卵・ピーナッツ・シリアル・スキムミルク・チーズ・黒パン・マーガリン・非柑橘系果物)が血清尿酸値低下と関連したが、一般集団における食事の血清尿酸値変動に対する寄与は0.3%以下だった。対照的に、血清尿酸値の変動の23.9%はSNPによって説明された。
評価
血清尿酸値に対する食事と遺伝の寄与度に関し多数の研究があり近年は遺伝子要因が重視される傾向にあるが、この最新のメタアナリシスでは食事内容の寄与度は限りなく低くなった。「食事療法」の意義は再考されるべきだが、アジア人での検討も必要である。