硬膜外麻酔中の初産婦における第2期努責開始タイミングは
Effect of Immediate vs Delayed Pushing on Rates of Spontaneous Vaginal Delivery Among Nulliparous Women Receiving Neuraxial Analgesia: A Randomized Clinical Trial

カテゴリー
看護・母子医学
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
October 2018
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背景

硬膜外麻酔中に初産婦が分娩第2期で努責を遅らせることに利点はあるのか。Washington UniversityのCahillらは、区域麻酔(neuraxial analgesia)中の初産婦を、子宮口全開大後ただちにいきみ始める群と60分待ってからいきみ始める群に分け、努責開始のタイミングの分娩時間・合併症への影響を検証した(n=2,414名[平均年齢26.5歳])。一次アウトカムは自然経膣分娩率である。

結論

一次アウトカムに有意差はなかった。ただちにいきみ始めた群は、遅くいきみ始めた群より平均分娩時間が短く(102.4分 vs. 134.2分)、絨毛膜羊膜炎発症率が低く(6.7% vs. 9.1%)、出血が少なかった(2.3% vs. 4.0%)。

評価

無痛分娩における、努責開始のタイミングは論争的で、遅い方がよいことを示唆したメタアナリシスもあったが(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmedhealth/PMH0021123/)、RCTが少なかった。この研究は大規模で一定の信頼度があるが、大きくはあまり差がない、という方向のようである。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(看護・母子医学)

Oncology Nursing Forum, International Journal of Nursing Studies