患者家族とのカンファレンスで医師ははっきりと共感的発言を
Characteristics of Physician Empathetic Statements During Pediatric Intensive Care Conferences With Family Members: A Qualitative Study

カテゴリー
看護・母子医学
ジャーナル名
JAMA Network Open
年月
July 2018
1
開始ページ
e180351

背景

PICUにおける家族と医療チームのケアカンファレンスでは家族に強い感情が引き起こされることがあるが、医療従事者は家族への共感をどのように発言するのがよいのか。George Washington UniversityのOctoberらは、ケアカンファレンスのオーディオ録音を行い68件の記録を分析した(179家族、医師30名)。カンファレンス中の医師の共感的発言はunburied(はっきりとそれを発言し、他と区別する)とburied(医学的な話の中に共感的発言を挟み込む、クローズドエンドの発言で終わる等)に分類した。家族の反応は、アライアンス(共感を確認して感情表出を継続)・認知(非感情的で医学的な会話を続ける)・無し、にテーマ分類した。

結論

医師は家族の感情キューを74%認識していた。医師の共感的発言は61.5%がunburiedで、38.5%がburiedだった。共感的な発言の後に医学的発言を続けるより、一旦はっきりと間を空ける方が、家族が懸念・希望・価値感を共有するオッズが高かった(OR:18)。

評価

アメリカの医師の家族への共感性を確認した研究があったが(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12477605)、発言モードにそれが反映されないと家族には意味がない、ということを新しく示した。ソーシャルワーカーや看護師など医師以外の医療チームメンバーの参加時間は平均5%にすぎなかったが、家族にunburiedな発言をしている傾向がより高かった、という。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(看護・母子医学)

Oncology Nursing Forum, International Journal of Nursing Studies