患者家族とのカンファレンスで医師ははっきりと共感的発言を
Characteristics of Physician Empathetic Statements During Pediatric Intensive Care Conferences With Family Members: A Qualitative Study
背景
PICUにおける家族と医療チームのケアカンファレンスでは家族に強い感情が引き起こされることがあるが、医療従事者は家族への共感をどのように発言するのがよいのか。George Washington UniversityのOctoberらは、ケアカンファレンスのオーディオ録音を行い68件の記録を分析した(179家族、医師30名)。カンファレンス中の医師の共感的発言はunburied(はっきりとそれを発言し、他と区別する)とburied(医学的な話の中に共感的発言を挟み込む、クローズドエンドの発言で終わる等)に分類した。家族の反応は、アライアンス(共感を確認して感情表出を継続)・認知(非感情的で医学的な会話を続ける)・無し、にテーマ分類した。
結論
医師は家族の感情キューを74%認識していた。医師の共感的発言は61.5%がunburiedで、38.5%がburiedだった。共感的な発言の後に医学的発言を続けるより、一旦はっきりと間を空ける方が、家族が懸念・希望・価値感を共有するオッズが高かった(OR:18)。
評価
アメリカの医師の家族への共感性を確認した研究があったが(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12477605)、発言モードにそれが反映されないと家族には意味がない、ということを新しく示した。ソーシャルワーカーや看護師など医師以外の医療チームメンバーの参加時間は平均5%にすぎなかったが、家族にunburiedな発言をしている傾向がより高かった、という。