認知症のがん患者はあまり痛みを訴えない
Cognitive Impairment and Pain Among Nursing Home Residents With Cancer

カテゴリー
看護・母子医学
ジャーナル名
Journal of Pain and Symptom Management
年月
June 2018
55
開始ページ
1509

背景

介護施設入居中の認知症がん患者の疼痛評価は認知機能のレベルによって異りうる。University of MassachusettsのDubeらは、ナーシングホームに入居しているがん患者の認知障害の程度によって、看護師による疼痛の文書化と管理がどのように異なるかを、Cognitive Performance Scale(CPS)または Brief Interview for Mental Statusを用いて評価した(n=367,462)。

結論

疼痛有病率は軽・中等度認知障害患者で55.5%、重度では50.5%であった。痛みは、自己報告可能な患者において一般的であった(軽度認知障害67.9%・中等度55.9%・重度41.8%)。より重度な認知障害は、疼痛評価の減少と関連していた(調整有病率比:0.77)。重度の認知障害を有する患者では、薬理学的疼痛管理があまり行われていなかった(59.4% vs. 74.9%)。

評価

認知症が重症だと疼痛の自己報告も少なくなり、医療側の評価も低くなることを示唆した。疼痛管理は、認知症重症度に応じて較正する必要がある。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(看護・母子医学)

Oncology Nursing Forum, International Journal of Nursing Studies