慢性静脈疾患患者の下肢の痛みに冷却療法は有効か
The efficacy of cooling therapy on leg pain and self-efficacy in patients with chronic venous disease: A randomized controlled trial of cryotherapy
背景
進行した慢性静脈疾患(CVD)患者の下肢の痛みに冷却療法は有効か。Medical University of South CarolinaのKelechiらは、CVD患者(ステージ4・5)が冷却用カフ着用すると、下肢の痛みおよび自己効力感にどのように影響するかをベースラインおよび1・3・6・9ヶ月後に評価した。(n=276、対照:プラセボカフ)。両群ともに、介入中には圧迫療法・挙上等の標準ケアを行なった。
結論
自己効力感の変化は見られなかったが、痛みは両群で軽減した(p<0.001)。冷却の有無にかかわらず、厳密な標準ケアの実施が、自己効力感への影響発現前に痛みを改善することが示唆される。
評価
著者らは冷却療法のCVD患者の潰瘍予防への影響も検討しているが有意差はなく、標準ケアの遵守がベストプラクティスとしている(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27511115)。同種患者を対象としてSpa(温熱)療法の潰瘍予防への有効性を検討したフランスの多施設RCTでは、スパに潰瘍予防効果はないが臨床状態・症状・QOLが改善したという(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24135621)。