慢性心不全患者への心理社会的緩和介入をRCTにかける
Effect of a Collaborative Care Intervention vs Usual Care on Health Status of Patients With Chronic Heart Failure: The CASA Randomized Clinical Trial
背景
現代の慢性心不全(CHF)管理は罹患率・死亡率の改善をもたらしたが、症状・機能障害・QOLの低下は未だ大きな問題である。Eastern Colorado Health Care SystemのBekelmanら(CASA)は、CHF患者の症状の軽減および心理社会的適応のための共同ケアによる介入と通常ケアを比較するRCTを行った(n=314)。一次アウトカムは、6ヶ月時のKCCQによるHRQL評価(変化率、0-100)の変化スコアの差である。
結論
うつ・疲労は介入群で改善したが(P=0.02)、CHF特異的健康状態(痛み・息切れ・入院回数)に有意差はなかった。
評価
ある種のCHFはがんと同様に不治であり、患者には緩和ケアが推奨されるがリソースは限られている。CASAは主治医と協力した看護師による症状への対処と、ソーシャルワーカーによる心理社会的ケアを組み合わせた、主に電話ベースによるチーム介入である。このような枠組みでのCHF患者に対する心理社会的緩和介入の本格RCTは初めてである。