高齢者施設でのヒッププロテクター着用
Determinants of Staff Commitment to Hip Protectors in Long-Term Care: A Cross-Sectional Survey
背景
転倒リスクが高い高齢者では、転倒時の大腿骨頚部/転子部骨折予防のためにヒッププロテクターを着用することが有用だが、その実効性は低アドヒアランスで低下する。カナダSimon Fraser UniversityのKorallらは、長期高齢者介護施設スタッフが、ヒッププロテクター着用にどのように関わっているかを調査した(n=535、13施設)。
結論
スタッフのコミットメントに負の関連を示したのは、在職期間(>20年)および骨折防止パッドへの意識であった。他方、正の関連を示したのは、家庭でのヒッププロテクター着用の推奨、組織内コミュニケーションの質の認知、入居者‐スタッフ間の相互尊重の程度、入居者のQOLに貢献しているという認知、直属の上司による変革型リーダーシップの頻度であった。
評価
ヒッププロテクターは、大腿骨頚部/転子部骨折リスクの高い高齢者のリスク低減に有用とされているが(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24687239)、不快感や使いにくさが未だ問題で、着用期間が長くなるほどアドヒアランスが低くなる(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24687239)。素材の改良や、側面に貼るだけの製品なども開発されてきている。