ヨーロッパのICUにおける睡眠促進の取り組み
Clinical practices to promote sleep in the ICU: a multinational survey
背景
ICUにおける睡眠促進のための臨床実践はどのように行われているのか。オランダGelre HospitalsのHofhuisらは、ヨーロッパ10ヶ国において、522のICUでの睡眠評価と睡眠促進介入の実践を調査・記述した(看護管理職による施設内調査アンケートの集計)。
結論
睡眠指標は、イタリアを除く参加国ICUの60%以上において「目を閉じて静かに横になる」であった。9%のICUが睡眠管理のためのプロトコルを有しており、1%が睡眠に関するアンケートを実施していた。北欧と比較して、中欧では睡眠促進プロトコルを有する傾向が高く、プロトコルの実施を希望する傾向があった。80%以上のICUで最も一般的だった非薬理学的介入による睡眠促進は、夜間のICUスタッフの騒音や照明、看護提供を減らすことであった。耳栓を頻繁に使用していたのは18%で、約50%のICUでは、医師と看護師が協働して睡眠薬の選択・効果判定を行っていた。
評価
ICU患者の回復に睡眠が果たす役割は重要で、研究が増えている。特に、ICU患者の睡眠の質の低下はせん妄との関連が示唆されており、耳栓でICUせん妄が減る(http://www.medicalonline.jp/news.php?t=review&m=emergency&date=201605&file=20160520-Crit_Care_Med-44-992-E.csv)等の結果もある。