女性がん患者を介護する男性のニーズとは
Perceived Needs, Preparedness, and Emotional Distress of Male Caregivers of Postsurgical Women With Gynecologic Cancer
背景
女性がん患者の術後における男性介護者の経験とニーズは。Case Western Reserve UniversityのMazanecらは、乳がん患者の入院後48〜72時間および退院後5〜7日以内における、男性介護者のニーズ(Comprehensive Needs Assessment Tool for Cancer Caregivers[CNAT-C])、介護の心構えができていること(Preparedness for care-giving scale[PCGS])と感情的苦痛(National Comprehensive Cancer Network Distress Thermometer)の関連を評価した(n=50、平均年齢60.64歳)。
結論
両時点で、男性介護者によるニーズが多かったのは、医療従事者との交流と情報であった。介護の心構えができていることと感情的苦痛との関連は示されず、入院中の家族・社会による支援のみに関連していた。退院後30日以内の再入院率は、いずれの時点でも介護の心構えができていること、または感情的苦痛に関連していなかった。病院施設・サービスにおけるニーズ増は、再入院率増加に関連していた。さらなる検討を必要とされた男性介護者サブグループの特性は、若年・未婚・在職中・低所得だった。
評価
女性患者の男性介護者が医療チームとの意思疎通や情報の必要としている結果は、他研究でも示されている(https://doi.org/10.1007/s00520-014-2529-0、https://doi.org/10.1016/j.ejca.2015.06.129)。米国では、介護者を医療記録に記録する、退院時期を介護者に通知する、自宅での医療行為についての指示する、といったことを義務付けるCaregiver Advise Record Enable法が30州以上で制定されている。