2020年までに学士看護師を80%に?
Associations between nurse education and experience and the risk of mortality and adverse events in acute care hospitals: A systematic review of observational studies
背景
アメリカNational Academy of Medicine(NAM、旧IoM)は、2020年までに看護師の80%を学士号取得者とする目標を提言しているが、看護師の教育レベル向上は患者・病院に本当にベネフィットがあるのか。カナダUniversity of SherbrookeのRochefortらは、看護師の学歴・経験と急性期病院における死亡・有害事象発生の関連を検討した27研究の系統レビュー・メタ解析を行った、
結論
18の異なる有害事象が検討されており、死亡・救命失敗が最も頻繁に主題化されていた。高学歴と救助失敗(75%の研究)・死亡(同61.1%)のリスク低減には関連が認められた。他の事象にフォーカスした研究が少なかったため、看護教育と他の事象の発生との間の関連は不一致だった。IoMが提案した80%閾値を検討した研究が一つあり、そこでは再入院率低減・在院日数短縮には関連するが死亡率とは関連しない、としていた。
評価
看護師の学士号保有率はアメリカで65%以下、EUで55%と見られており、80%は非常に高い目標である。看護系団体はこの目標達成を強く訴えており、「有益」というエビデンスを示すことが求められている。