地域高齢女性の骨折リスクをFRAXでスクリーニングする
Screening in the community to reduce fractures in older women (SCOOP): a randomised controlled trial
背景
コミュニティベースのスクリーニング介入で、高齢女性の骨折を軽減できるか。英国University of East AngliaのShepstoneら(SCOOP)は、70~85歳の女性を対象に、骨折リスク評価ツール(FRAX)を用いたスクリーニングプログラムによって骨折高リスク者を特定できるかを検証するRCTを行なった(n=12,483、対照:通常管理)。メインアウトカムは、5年以上にわたって骨粗鬆症に関連した骨折が1回以上あった女性の割合である。
結論
介入群で、1年後における骨粗鬆症薬治療が増えており(15% vs. 4%)、スクリーニング高リスクサブグループではとりわけ高率(6ヶ月78%)だった。骨粗鬆症関連骨折・全骨折発症率に有意差はなかったが、スクリーニング群で股関節骨折の発生率が低下した(HR:0.72)。死亡率・不安レベル・QoLに有意差はなかった。
評価
FRAXはガイドライン推奨の標準ツールだが、スクリーニングでの有用性の大規模検証は初めてである。メインアウトカムに有意差は出なかったが、一定の有用性が示された。予備的分析により、アプローチが費用対効果に優れている可能性が示唆されている。