貧困地域の高齢者は股関節骨折後の「在宅期間」が短い
Neighborhood Deprivation and Days Spent at Home After Fall-Related Hip Fracture
背景
股関節骨折は高齢者の自立を阻む重大なイベントだが、居住地域の経済状況は回復後の在宅期間に影響するか。
アメリカUniversity of MarylandのFalveyらは、米国のメディケア受給高齢者高齢者52,012名を対象に、地域の貧困指数(Area Deprivation Index: ADI)が在宅での生活継続(エイジング・イン・プレイス)に与える影響を分析する大規模コホート研究を行った。
結論
高ADI地域の住民は、低ADI地域の住民に比べ、術後1年の在宅期間が8.5%短かった。高ADI地域では黒人・ヒスパニックの割合が11.1%に達し、低貧困度地域の2.3%を上回った。高ADI地域住民における翌年の在宅日数の絶対差は、22.8日であった。
評価
アメリカの貧困者が、「骨折しても病院から家に帰れない」という実情を示した。これは、歩道の未整備等の環境障壁や、リハビリ施設の不足といった地域的不平等に起因する。困窮度は黒人やヒスパニック等マイノリティで高く、構造的差別の影響も示唆される。著者らは、骨折リエゾンサービス(FLS)のような、地域の障壁を克服するための介入策の拡張を提案している。


