中等〜重度乾癬に新規経口IL-23標的ペプチド薬icotrokinra登場:ICONIC-LEAD試験
Oral Icotrokinra for Plaque Psoriasis in Adults and Adolescents
背景
中等〜重度の尋常性乾癬の治療では、注射生物学的製剤に代わる経口薬が必要である。
カナダInnovaderm ResearchのBissonnetteら(ICONIC-LEAD)は、中等〜重度の尋常性乾癬を有する成人および12歳以上の思春期児684名を対象に、選択的経口IL-23受容体標的ペプチド薬icotrokinraの有効性・安全性を検証する第3相試験を実施した(対照:プラセボ)。
一次エンドポイントは、16週時点におけるIGA スコア0または1、かつベースラインから 2ポイント以上の低下(IGA 0/1)とPASIスコアのベースラインから90%以上の低下(PASI 90)とした。
結論
Icotrokinraの高い一次エンドポイント有効性を認めた[65% vs. 8%(PASI 90達成率50% vs. 4%; GAスコア 0: 33% vs. 1%、PASI 100 達成: 27% vs. 1%未満)]。
16週目までの有害事象発生率は、両群とも49%であった。最も頻繁に見られたのは鼻咽頭炎と上気道感染症であった。また、有害事象発生率は、24週目まで安定していた。
評価
Johnson & Johnson創薬による、初めての経口インターフェロン直接結合・阻害薬である。既存注射製剤に優るとも劣らない有効性・安全性を示して、乾癬およびIL-23に限定されない広汎なパラダイムシフトを予感させる。FDA承認は確実とみられるが、試験期間16週でプラセボ対照が終了している点、およびIL-23標的生物学的製剤で治療失敗した患者を除外しているため選択バイアスの可能性がある点が、制限である。


