若年男子サッカー選手における骨端線損傷の年齢別進行
Distal-to-proximal progression of apophyseal injuries with age in male youth academy footballers: a two-season prospective cohort study of 16,024 player-seasons

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
British Journal of Sports Medicine
年月
October 2025
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開始ページ
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背景

若年サッカー選手に多い骨端線損傷は、長期的影響を持つ可能性がある。
イギリスUniversity of BathのOxendaleらは、2シーズンにわたる大規模コホート(16,024名)で、U9からU21の男子アカデミーサッカー選手における骨端症損傷の発生率・重症度・負担を評価した。

結論

全損傷10,589件のうち、骨端線損傷は603件(5.7%)を占めた。損傷負担(日/1000時間)は、股関節/鼠径部(3.5日)および膝(3.4日)で高く、足首/足(2.2日)より高かった。最も高い発生率(約0.4件/1000時間)と負担(約20日/1000時間)は、U12〜U16グループで観察された。損傷の重症度(中央値日数)は年齢とともに、U9〜U11の20日からU15〜U16の38日へ、有意な増加傾向を示した。

評価

骨端線損傷の部位が年齢とともに遠位(足首/足)から近位(股関節/鼠径部)へと進行するという既存の知見を、最大規模コホートで再確認した。これは、成長スパートが遠位から近位へ進む身体的発達と一致する可能性が示唆される。U12〜U16グループで発生率と負担が最も高かったことは、この思春期成長スパートの典型的開始時期に、特に予防策を徹底すべきことを示す。損傷の重症度は年齢とともに増加し、特にU12〜U16グループで復帰までの期間が長期化する。さらに、U18〜U21グループでも上前腸骨棘(ASIS)の損傷など、近位の骨端症損傷が確認されている。すべての発達段階で対策が必要である。

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Physical Therapy