健康乳児のRSV感染に新規抗体薬clesrovimab登場:CLEVER試験
Clesrovimab for Prevention of RSV Disease in Healthy Infants
背景
Clesrovimab(RSウイルス[RSV]融合タンパク質のサイトIVを標的とする長時間作用型モノクローナル抗体)の、健康な乳児に対する安全性・有効性は。
アメリカMerck & Co., Inc.のSinhaら(CLEVER)は、RSV感染症の最初のシーズンを迎える健康な早産児・正期産児3,614名を対象に、clesrovimabの筋肉内単回投与の有効性・安全性を検討する第2b/3相RCTを行った(対照:プラセボ)。
一次有効性エンドポイントは、投与後150日までのRSV感染症に関連する下気道感染症の受診であった。
結論
Clesrovimabの有効性を認めた。一次有効性エンドポイントの5ヵ月間の発生率は、レスロビマブ群で2.6%、プラセボ群で6.5%で、有効性は60.4%であった。二次有効性エンドポイントの150日以内のRSV関連入院への有効性は84.2%であった。安全性プロファイルはプラセボと同様であった。
評価
RSV感染症の治療抗体には、パリビズマブ・ニルセビマブが先行し、clesrovimabは後者に続く第2の長時間作用型RSV抗体だが、結合部位(Site IV)が異なる。このことが、耐性リスクの低減に寄与する可能性が示唆されている。現在、高リスク児を対象とした第3相試験が行われており(https://clinicaltrials.gov/study/NCT04938830)、新しい標準治療となる可能性がある。