CRISPR体内遺伝子編集治療(nex-z)が遺伝性ATTR多発性ニューロパチーで初めて成功
Nexiguran Ziclumeran Gene Editing in Hereditary ATTR with Polyneuropathy
背景
遺伝性ATTRアミロイドーシスによる多発性ニューロパチー(ATTRv-PN)は致死的な進行性疾患で、新しいアプローチが求められている。
イギリスUniversity College LondonのGillmoreらは、ATTRv-PN患者36名を対象に、CRISPR-Cas9編集でTTRを肝臓で不活化して血中TTRレベルを低下させるnexiguran ziclumeran(nex-z)の単回投与の安全性と薬力学を評価する第1相非盲検試験を行った(平均追跡期間27ヵ月)。
結論
血清TTR値のベースラインからの平均変化率は、28日目に−90%で、24ヵ月目まで維持された(−92%)。治療関連有害事象には、一過性の注入関連反応(21名)、甲状腺機能低下症または甲状腺刺激ホルモン値の上昇を伴わないチロキシン値の低下(8名)、頭痛(4名)が含まれた。1名が心アミロイドーシスで死亡し、1名が運動機能の進行性低下により脱落した。重篤有害事象は11名の患者で報告された。24ヵ月目に、家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)の病期とポリニューロパチー障害(PND)スコアは、各29名・27名で安定し、2名と5名で改善し、2名と2名で悪化した。血清NfL値の平均変化は−9.0 pg/ml、修正BMIの変化は24.7であった。mNIS+7のベースラインからの平均変化は−8.5であった。
評価
Intellia Therapeutics開発による初の体内遺伝子編集治療の成功報告である。Nex-zは単回投与で血清TTR値をほぼ完全に抑制し、この効果は36ヵ月まで持続した。現存のTTRサイレンサー治療(血清TTR値約80%低下で生涯投与が必要)と比較して目覚ましい進歩である。神経機能の安定化は、自然歴やプラセボ群で観察された病態進行と対照的である。安全性懸念は、一過性の注入反応や肝酵素の一時的な上昇に留まり、重篤な副作用は少なかった。ランドマーク研究であり、すでに第3相試験が進行中である。


