RSVpreFワクチンはリアルワールドで高齢者の入院を低減する:DAN-RSV試験
RSV Prefusion F Vaccine for Prevention of Hospitalization in Older Adults
背景
2価RSV融合前F蛋白ベース(RSVpreF)ワクチンのRSウイルス(RSV)関連呼吸器疾患の予防効果が示されているが、入院を伴う重症アウトカムに対する有効性は。
デンマークCopenhagen UniversityのBiering-Sørensenら(DAN-RSV)は、同国患者レジストリを用い、60歳以上の成人131,379名を対象に、RSVpreFワクチンの実臨床での有効性を評価する非盲検RCTを実施した(対照:非接種)。
一次エンドポイントは、RSV関連呼吸器疾患による入院であった。
結論
RSVpreFワクチンの一次エンドポイント効果を認めた[1,000人年あたり0.11件 vs. 0.66件(ワクチン効果83.3%)]。RSV関連下気道疾患による入院は91.7%、全原因による呼吸器疾患による入院も15.2%減少した。重篤有害事象発生率は、両群同程度であった。
評価
同ワクチンのリアルワールドでの重症化(入院)予防効果に関しては、すでに米CDCのVISION Network報告があるが(https://doi.org/10.1016/S0140-6736(24)01738-0)、この研究はリアルワールドで初のプラグマティックRCTとして、この効果を確定するものである。なお、この研究はPfizerの二価RSVpreFに関するものだが、GSKのアジュバント入りワクチンとの間にこの点に関しては大差はなく、両者の最大の違いは前者の妊婦安全性である。
関連するメディカルオンライン文献
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