高用量インフルエンザワクチンは標準用量ワクチンに優るか:GALFLU試験
High-Dose Influenza Vaccine to Reduce Hospitalizations
背景
65歳以上の成人において、高用量不活化インフルエンザワクチン(IIV3-HD)は、標準用量ワクチン(IIV3-SD)と比較してインフルエンザ感染に対する予防効果が示されているが、入院を含む重篤臨床アウトカムに対する相対的な有効性は。
スペインHospital Clinico Universitario de Santiago de CompostelaのMartinon-Torresら(GALFLU)は、同国ガリシア州の地域医療登録データを用いて、65〜79歳の地域住民103,169名を対象に、2シーズン(2023〜2024年と2024〜2025年)における両ワクチンの相対的有効性を評価する実薬対照試験を実施した。
一次エンドポイントは、ワクチン接種後14日から翌年5月31日までのインフルエンザまたは肺炎による入院の複合であった。
結論
IIV3-HDのIIV3-SDに対する一次エンドポイント優位が示唆された[絶対リスク0.26% vs. 0.34%:相対的ワクチン有効性23.7%]。インフルエンザ単独入院リスクは31.8%低減した。重篤有害事象の発生率は両群で同程度であった。
評価
SanofiのEflueldaとViatrisのInfluvac Tetraの直接比較試験で、同主題のデンマークにおけるDANFLU-2とともにNEJMに併載されている。両試験とも予想よりインフルエンザ発生数が少なかったため、一次エンドポイントに対する正式な統計的検定は実施できなかった。このため、結果は「記述的分析」に留まり、厳密な統計的有意差は示されていない。この問題は、両試験が同じDANFLU-2プロトコルを用いて設計されていたため、その結果を統合解析(FLUNITY-HD)できたことでほぼ克服されたという。この試験データはLancet次号に掲載される予定である。