土壌伝播性蠕虫症根絶のために:DeWorm3 試験
Feasibility of interrupting the transmission of soil-transmitted helminths: the DeWorm3 community cluster-randomised controlled trial in Benin, India, and Malawi
背景
土壌伝播性蠕虫感染症(soil-transmitted helminths: STH)は、途上国の重要な公衆衛生問題である。
アメリカJohns Hopkins UniversityのWalsonら(DeWorm3)は、ベナン・インド・マラウイで、コミュニティ全体を対象とした集団薬剤投与(MDA)と学校での駆虫を比較する大規模クラスターRCTを実施した(n=357,716)。3年間、半年ごとに経口アルベンダゾールを投与し、最終投与から24ヵ月後の時点でのSTH(主にアメリカ鉤虫)の有病率を評価した。
結論
MDA群は学校駆虫群と比較して、いずれの国においても有意に有病率を低下させた(調整済み有病率比 0.40〜0.44)が、感染伝播の阻止(有病率2%以下)は、MDA群のクラスターの一部でのみ達成され、プログラム全体としての一律な阻止は達成できなかった。
評価
WHOが示唆したMDAの拡張を、ゲイツ財団の資金提供で検証した大規模試験で、qPCRを用いた精密診断により結果の信頼度を高めている。コミュニティ全体へのMDAが、学校駆虫よりもSTHの有病率を大幅に減少させることを明らかにしたここでの結果は、STHの根絶というWHOの目標達成に向け、MDAが有効な戦略であることを示した。しかし、3年間のプログラム期間では感染伝播の完全な阻止には至らなかったため、伝播阻止にはより長期的な対策や他の介入(衛生環境改善など)との組み合わせといった戦略が必要となる。


