腺ペストには経口シプロフロキサシン単剤療法:IMASOY試験
Ciprofloxacin versus Aminoglycoside-Ciprofloxacin for Bubonic Plague
背景
ペストに対する現在の治療ガイドラインには、エビデンスが乏しい。
イギリスInternational Severe Acute Respiratory and emerging Infection Consortium(ISARIC)のOlliaroら(IMASOY)は、マダガスカルで腺ペストが疑われる患者450名を対象に、経口シプロフロキサシン単剤療法(10日間)と、アミノグリコシド注射薬の3日間投与後に経口シプロフロキサシンを7日間投与する治療法を比較する非劣性RCTを実施した。
一次エンドポイントは、11日目の治療失敗(死亡・発熱・二次性肺ペスト・代替治療・長期ペスト治療)であった。
結論
シプロフロキサシン単剤療法のアミノグリコシド併用療法に対する非劣性を認めた[治療失敗率 9.0% vs. 8.1%)]。安全性プロファイルに群間差はなかった。
評価
エビデンスが不足していた腺ペストの治療法についての初のRCTである。経口シプロフロキサシン単剤療法の有効性・安全性の確認は、途上国で大きな恩恵となる。ペスト治療ガイドラインの改訂を促し、グローバルな公衆衛生対策に貢献する重要な成果である。