AF患者に対する運動療法ベースの心リハ(ExCR)は有益:系統レビュー・メタアナリシス
Exercise based cardiac rehabilitation for atrial fibrillation: Cochrane systematic review, meta-analysis, meta-regression and trial sequential analysis
背景
心房細動(AF)患者に対する運動療法ベースの心臓リハビリテーション(ExCR)は、機能的能力の改善が報告されているが、臨床イベントへの影響は。
イギリスLiverpool John Moores UniversityのBuckleyらは、2006〜2024年3月の関連するRCT 20件(2,039名)を対象とした系統レビュー・メタアナリシスを実施した。
結論
ExCRは全死因死亡や重篤有害事象の増加なく、複数の臨床的ベネフィットが示された[AFの症状の重症度(平均差[MD]ー1.61)・AF負担(ー1.61)・発作頻度(ー0.57)・発作持続時間(ー0.58)・AF再発(相対リスク 0.68)を32%減少させた]。最大酸素摂取量(VO2ピーク)を平均3.18 mL/kg/min増加させ、運動能力を向上させた。
健康関連QOLの精神的側面を改善したが、身体的側面には有意な影響はみられなかった。
評価
ExCRは、運動トレーニング・個別化ライフスタイルリスク因子管理・医療リスク管理・健康行動教育・心理社会的介入からなる包括的介入である。この系統レビュー(Cochrane Review)は、AF患者に対するExCRの有効性を評価した現時点で最も網羅的な総括である。MACEには影響がないものの、AF再発の32%の減少は、患者のQOL向上だけでなく、医療費の削減にもつながる重要な知見で、今後のAF治療ガイドラインに大きな影響を与える。エビデンスの質は低〜中等度であり、より大規模で上質な試験が必要である。