構造化介入で加齢に伴う認知機能低下を遅らせる:US POINTER試験
Structured vs Self-Guided Multidomain Lifestyle Interventions for Global Cognitive Function: The US POINTER Randomized Clinical Trial
背景
加齢に伴う認知機能低下を遅延・予防する新たな介入法の特定は喫緊の課題で、修正可能なリスク因子を標的とした非薬物療法は、有望で比較的低コストで安全なアプローチとして注目されている。
アメリカWake Forest UniversityのBakerら(US POINTER)は、認知機能低下および認知症のリスク(60〜79歳、座りがちな生活習慣、不適切な食事など)がある高齢者2,111名を、2年間2種類のライフスタイル介入(構造化介入または自己主導型介入)に割り付け、認知機能の経過に与える影響を比較するRCTを実施した。
一次アウトカムは、2年間の全般的認知機能の年間変化率の介入群間差であった。
結論
構造化介入の非構造化自己主導型介入に対する一次アウトカム優位を認めた[構造化介入群で年間平均0.243SDの認知機能向上に対し、自己主導型介入群では0.213SDの向上に留まり、群間差は0.029SDと有意であった]。有害事象の報告は構造化群で少なかった。
評価
構造化介入群では、2年間で38回のチームミーティングが行われ、体系化された活動計画と、有酸素運動、レジスタンス運動、柔軟性トレーニング、MIND食、週3回のウェブベースの認知トレーニングなどを含む測定可能な順守指標が提供された。自己主導型介入群では、教育資料が提供され、個人のニーズとスケジュールに合わせたライフスタイル変更が奨励された。行動変容を支援するためのギフトカードが提供され、2年間で6回のチームミーティングが開催されたが、目標志向のコーチングはなかった。
先行研究であるフィンランドのFINGER(https://fbhi.se/the-finger-study/)の成果を確認するとともに、構造化介入が、より多様なアメリカの集団でも展開できることを示した。