ALSでリルゾールへの低用量IL-2の追加が有望:MIROCALS
Efficacy and safety of low-dose IL-2 as an add-on therapy to riluzole (MIROCALS): a phase 2b, double-blind, randomised, placebo-controlled trial

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The Lancet
年月
May 2025
405
開始ページ
1837

背景

筋萎縮性側索硬化症(ALS)にリルゾールが使われているが、効果は限定的である。
フランスPitie-Salpetriere HospitalのBensimonら(MIROCALS)は、リルゾール導入期間後のALS患者220名を対象に、低用量インターロイキン2(IL-2LD)の追加の効果・安全性を検証する第2b相RCTを行った(対照:プラセボ)。
一次アウトカムは、640日生存で、安全性やバイオマーカーも評価した。最終的に全参加者がITT集団に含まれ、90名が死亡、130名が生存した。

結論

CSF-pNFHレベルによる補正後解析で、IL-2 LDが死亡リスクを68%低減することが示された(HR 0.32)。特に、CSF-pNFH低値のALS患者(全体の70%)では、IL-2 LDが死亡リスクを48%有意に低減した(0.52)。
IL-2 LDは安全であり、Treg細胞を増加させ、血漿CCL2を減少させた。

評価

IL-2がT1DやGVHDでTregs効果を増幅する、という報告(https://insight.jci.org/articles/view/147474)をALSに応用した試験で、有望性を確認した。バイオマーカー(CSF-pNFH)レベルによる補正後に有効集団を同定した、という点にも新味がある。同マーカーを利用した第3相に期待がかかる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell