肺結節への電磁ナビゲーション気管支鏡検査は、CTガイド下経胸壁針生検に非劣性:VERITAS試験
Navigational Bronchoscopy or Transthoracic Needle Biopsy for Lung Nodules
背景
末梢肺結節の生検における電磁ナビゲーション気管支鏡検査(ENB)の診断精度は。
アメリカVanderbilt UniversityのMaldonadoら(Interventional Pulmonary Outcomes Group[IPOG])は、径10~30mm、中・高リスクの末梢肺結節患者234名を対象に、ENBと経胸壁針生検(CT-TTNA)を比較する多施設RCTを実施した。
一次アウトカムは、診断精度(12ヵ月追跡で確定診断の正確性)であった。
結論
一次アウトカム解析対象中、12ヵ月追跡で確定診断が得られたのは、ENB群79.0%、TTNA群73.6%であった。ENBは非劣性を示した(絶対差5.4%ポイント、非劣性P=0.003、優越性P=0.17)。気胸発生率はENB群3.3%、TTNA群28.3%であった。胸腔ドレーン挿入または入院を要した参加者は、ENB群0.8%、TTNA群11.5%であった。
評価
課題となっていた重要な比較で、一般にENBはTTNBより精度は低いが安全、とされてきた。ここでの結果は、その観方をほぼ踏襲するが、精度の非劣性を確定して、末梢肺結節の組織診断において、「インサイドアウト」戦略はCT-TTNAによる「アウトサイドイン」アプローチに匹敵することを示した。ただし著者らは、両手技の精度が術者の知識と技量に依存するとし、結果の一般化可能性は機器の可用性と術者のレベルに左右されるとしている。NEJM Editorialでは、VERITASの厳密さを評価しつつ、非劣性マージンの広さを指摘している。