ICS/SABAレスキュー吸入は軽症喘息でも有益:BATURA
As-Needed Albuterol-Budesonide in Mild Asthma
背景
中等〜重症喘息ではアルブテロールとブデソニドの固定用量配合剤(ICS/SABA)が増悪リスクを低減するが、軽症喘息では。
アメリカNorth Carolina Clinical ResearchのLaForceら(BATURA)は、短時間作用性β2刺激薬単独や低用量吸入ステロイド等でコントロール不良の軽症喘息患者(12歳以上)2,516名を対象に、ICS/SABAのレスキュー吸入、またはアルブテロール単独(SABA)を必要に応じて(as-needed)最大52週間投与する、完全バーチャル・分散型・二重盲検・イベントドリブン第3b相試験を実施した。
一次アウトカムは、重度の喘息増悪の初回発生であった。
97.2%が18歳以上、74.4%がベースライン時SABA単独使用であった。
結論
試験は有効性のため停止された。一次アウトカム発生率は、ICS/SABA群が5.1%、SABA群が9.1%で(HR 0.53)。年間増悪発生率もICS/SABA群が低く(0.15 vs. 0.32)、全身性グルココルチコイドの総投与量も少なかった。有害事象は両群同等だった。
評価
呼吸器医学における初のバーチャル試験により、軽症喘息でも抗炎症薬のレスキュー吸入が有益であるという、示唆されていた概念を確定した。AstraZenecaのAirsupraで、MANDALA試験、DENALI試験と併せ、喘息の全重症度において同薬がアルブテロール単独より優ることが示されたことになる。