脳震盪後の青少年は昼寝の制限を
Sleep quantity and quality during the first week postinjury and time to symptom resolution in youth with concussion
背景
脳震盪後の青少年における負傷後1週間の睡眠量と質、脳震盪後症状(PCS)スコアの双方向の関連性と、睡眠指標と症状消失までの時間は。
アメリカCenter for Injury Research and PolicyのYangらは、前向コホートの二次解析において、受傷後72時間以内に脳震盪と診断された11〜17歳の青少年78名を対象に、受傷後1週間にActiGraphで睡眠時間と質を測定し、睡眠指標とPCSの双方向の時間的関連性および睡眠指標と症状消失までの時間を評価した。
結論
受傷後1週間のPCSと総睡眠時間、日中総睡眠時間との間に有意な双方向関連があった。日中睡眠時間の増加は症状解消の可能性低下と関連した(aHR=0.88)。最適な総睡眠時間(1日あたり418分)は症状解消の可能性2.1倍増加と関連した(aHR=2.1)。
評価
小児脳震盪研究では自己申告による睡眠時間を用いたものが多かったが、本研究はウェアラブルデバイスを用いて睡眠の量と質を客観的に測定する新しい方向性のものである。この方法により、睡眠の時間・パターンとPCSの関連のより正確な評価が可能となった。実践的結論は、若年者のPCS軽減のためには、受傷直後の日中睡眠の制限と適切な夜間睡眠の確保が重要である、ということである。