高齢女性の股関節骨折後リハでのテストステロン補充は無益:STEP-HI
Combining Exercise Training and Testosterone Therapy in Older Women After Hip Fracture: The STEP-HI Randomized Clinical Trial
背景
股関節骨折した高齢女性は、リハビリ後も骨折前の機能レベルに戻れないことが多いが、テストステロン療法は回復を促すか。
アメリカWashington UniversityのBinderら(STEP-HI)は、股関節骨折後の運動障害ある65歳以上女性129名を、運動+局所テストステロンジェル塗布・運動+プラセボ・強化通常ケア(在宅での自主的な低強度運動+月1回の健康教育セッション)の3群に割り付け、24週間の機能的アウトカム(6分間歩行テスト[6MWD])を検証するRCTを行った。
結論
24週間の6MWDの平均変化量は、運動+テストステロン群(42.7m)・運動+プラセボ群(40.5m)・強化通常ケア群(37.7m)間で有意差はなかった。長距離移動能力においても、運動へのテストステロン追加の効果は認められなかった。
評価
高齢女性の重要障害で、他病態で使われているテストステロンの、監督下運動への併用効果を検証した初めてのRCTだったが、失敗した。二次アウトカムでは若干の効果(SPPB指標による身体能力の改善、補助器具使用の低減)が報告されているが、テストステロン使用の標準化を支持するものではない。