結核予防にBCG再接種は無益
BCG Revaccination for the Prevention of Mycobacterium tuberculosis Infection
背景
BCG再接種は、初回結核菌感染防御に有効か。
アメリカGates Medical Research InstituteのSchmidtらは、QFT陰性・HIV陰性の思春期児1,836名におけるBCG再接種のQFT陽転持続予防効果を検証する第2b相RCTを行った。有害事象と免疫原性も評価した。有効率は修正ITT集団で解析した。
結論
追跡期間中央値30ヵ月で、BCG再接種の一次エンドポイント効果を認めなかった(QFT陽転持続のHR 1.04、ワクチン有効率の点推定値−3.8%)。有害事象はBCGワクチン群で多く、主に注射部位反応(疼痛・発赤・腫脹・潰瘍)であった。BCG再接種は、サイトカイン陽性の1型CD4ヘルパーT細胞を誘導した。
評価
BCG再接種は、途上国での結核の蔓延に対する低コスト戦略として期待され、有効性を示唆した結果もあったが、Gates 財団支援のこの大規模検証により、効果はほぼ否定された。他には、抗菌薬戦略に加え、新ワクチン開発という方策が考えられ、同財団が支援したM72/AS01E-4ワクチンは、すでに第3相が進行している(
https://www.ezintsha.org/a-phase-3-trial-to-assess-efficacy-and-safety-of-m72-as01e-4-mycobacterium-tuberculosis-mtb-vaccine-when-administered-to-adolescents-and-adults-2/)。