ヨガで膝OAの痛みを軽減
Yoga or Strengthening Exercise for Knee Osteoarthritis A Randomized Clinical Trial
背景
変形性膝関節症(OA)管理におけるヨガと筋力強化運動の有効性比較エビデンスは限られている。
オーストラリアUniversity of TasmaniaのAntonyらは、VASで膝関節痛レベルが40以上で40歳以上の成人117名を、ヨガ群と筋力強化運動群に割り付けるRCTを行った。両群とも3ヵ月間、週2回の指導下での運動と週1回自宅での運動を行い、さらに3ヵ月間は週3回指導なしの自宅で運動を行った。
一次アウトカムは、12週間のVASスコア群間差であった。
結論
一次アウトカムにおける群間差は有意でなかったが、非劣性マージン内であった。27の副次的アウトカムのうち7つでヨガ群が優位であった。6ヵ月でヨガ群はWOMACでの膝関節痛・機能・硬直・患者全体評価・40m速歩テストが筋力強化群より改善した。また、3ヵ月でうつ、6ヵ月でQOLもヨガ群でわずかに改善した。有害事象は両群で軽度かつ同程度であった。
評価
この主題に関しては研究は少なくなく、2024のメタアナリシスは、ヨガは膝OAの痛み軽減には有効であろう、としており(https://journals.plos.org/plosone/article)、ここでの結果はメタアナリシスの結論を追認するものである。著者らは、筋力強化運動が関節安定と機械的ストレス軽減を目指す一方、ヨガは柔軟性向上とストレス軽減を通じて痛みの軽減を試みるという、介入方法の違いから、ヨガを補完的な運動オプションとして取り入れることで、患者が膝OAをより適切に管理できるようになる、と示唆している。