軽度認知障害高齢者の認知機能に対する多領域介入は無益?
Combined mind-body physical exercise, cognitive training, and nurse-led risk factor modification to enhance cognition among older adults with mild cognitive impairment in primary care: a three-arm randomised controlled trial

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
The Lancet Healthy Longevity
年月
April 2025
6
開始ページ
100706

背景

軽度認知障害(MCI)高齢者に対する看護師主導のリスク因子修正(RFM)・認知訓練・運動介入の多領域介入の有効性は。
中国The Chinese University of Hong KongのWongらは、60〜80歳のMCI高齢者456名を対象に、CPR(認知訓練・心身運動・RFMの複合介入)・RFM単独・健康アドバイス単独の認知機能に対する影響を比較するRCTを行った。
一次アウトカムは、15ヶ月時点のADAS-Cog Zスコアであった。

結論

3群間に一次アウトカムの有意差は認められなかった。6ヵ月後および12ヵ月後の追跡調査においても、同様に有意差はみられなかった。

評価

プライマリケアにおけるMCI高齢者の認知機能低下抑制を目的とした、看護師主導多要素CPR介入をRFM単独と比較した、アジア最大のRCTである。ここでの否定的結果は、類似の介入で肯定的結果を報告したフィンランドFINGER試験と異なる(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25771249/)。FINGERは、より大規模・長期であり、食事指導を含んでより包括的である。フィンランド研究に優位性が認められるが、さらなる世界的検証が必要である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy