幼児の脛骨骨折には脱着式ブーツ?
Removable Boot vs Casting of Toddler’s Fractures: A Randomized Clinical Trial
背景
幼児の脛骨骨折(TF)治療における既製の脱着式ブーツとキャストの有効性の比較は。
カナダUniversite de MontrealのBoutinらは、生後9ヵ月〜4歳のTF小児129名をブーツと円周ギプス使用に割り付ける最大3週間の非劣性RCTを行った。
一次アウトカムは、負傷後4週間の疼痛スコア(EVENDOL)であった。二次アウトカムは、活動復帰・合併症・親の満足度・介護負担とした。
結論
脱着式ブーツのキャストに対する一次アウトカム非劣性を認めた(スコア平均:ブーツ群1.21、ギプス群1.76)。ベースラインにおける活動への復帰はブーツ群で77%と、ギプス群の41%より有意に高かった。皮膚合併症は両群で発生したが、ブーツ群で多かった。治療への満足度に有意差はなかった。介護負担は、入浴と子供の移動においてブーツ群で有意に低かった。
評価
脱着式ブーツに関しては一般レビューがあるが(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11633339)、この用途に関するRCTは初めてである。疼痛に差がなく、また介護者の満足度にも差はない。育児における負担の軽減に寄与し、不必要な経過観察を減らす可能性もある。第一オプションとなりえる。