血友病Bの遺伝子治療薬fidanacogene elaparvovec、「臨床試験は成功」
Fidanacogene Elaparvovec for Hemophilia B−A Multiyear Follow-up Study

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
April 2025
392
開始ページ
1508

背景

Fidanacogene elaparvovecは、高活性第IX因子バリアントを持続的に発現させるAAVベクター使用血友病B治療薬である。
オーストラリアUniversity of SydneyのRaskoらは、重症・中等症血友病B患者15名に同薬を投与し、12ヵ月間の臨床試験と5年間の追跡調査を実施した。安全性エンドポイントは有害事象と臨床検査値の変動、有効性エンドポイントは年間出血率(ABR)と第IX因子活性であった。
14名が少なくとも3年間の追跡調査を完了(中央値 5.5年)し、データカットオフ時点で参加が継続していたのは8名であった。

結論

1年目以降、治療関連の有害事象は報告されず。追跡調査中に重篤な有害事象が4名(9件)に認められたが、血栓性や治療関連のものはなかった。第IX因子インヒビターは検出されず、第IX因子活性の平均は軽度血友病の範囲内であった。平均ABRは1未満で、10名では治療を要する出血エピソードはなかった。
肝細胞癌サーベイランスにおける超音波検査で癌は認められなかったが、4名で脂肪肝が認められた。C型肝炎・B型肝炎・HIV感染症の既往があり、BMIが高い1名は、基礎疾患であった肝線維症が進行していた。
8名に計13件の外科手術が実施され、うち10件で第IX因子が投与されたが、予期しない出血性合併症はなかった。

評価

2022に承認されたCSLBehringのAAV使用遺伝子治療Hemgenix(etranacogene dezaparvovec-drlb)を追うPfizerの創薬(Beqvez)で、この臨床試験の成功により欧米で承認されたが、その後同社は、開発・商業化を全世界で中止し、日本でも今年2月に承認申請を取り下げた。需要見通しの低さと高価さにより、商業的成功が見込めないと判断されたと言われるが、ゲノム編集アプローチの進展も関係しているものとみられる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell