スプリント走メカニクスとハムストリング損傷の関連を解析
Sprint running mechanics are associated with hamstring strain injury: a 6-month prospective cohort study of 126 elite male footballers
背景
プロサッカー選手におけるスプリント走時のバイオメカニクスとスプリント関連ハムストリングス損傷(HSI)との関連は。
イギリスUniversity of SalfordのBramahらは、イングランドサッカーリーグ8クラブ126名のプロ男子サッカー選手のスプリント動画を収集し、スプリント・メカニクス・アセスメント・スコア(S-MAS)を用いて、評価した。
過去12ヵ月以内のスプリント関連HSIと、MRIで確認された新規スプリント関連HSIは、クラブの医療スタッフによって報告された。
結論
スプリント関連HSIの既往歴がある選手は23名、6ヵ月の追跡期間中における新規HSIは17名で、その14名にスプリント関連の損傷があった。
スプリント関連HSI既往歴がある選手(中央値差[MD]: 1)および新規スプリント関連HSIがあった選手(MD: 2)のS-MAS値は、損傷のない選手と比較して有意に高かった。
年齢・既往の調整後、S-MASと将来のスプリント関連HSIとの間に有意な関連が認められ、S-MASが1ポイント増加するごとに新規スプリント関連HSIのリスクが33%増加した。
評価
プロサッカー選手におけるスプリント走行の運動学的分析を行い、将来のスプリント関連HSIとの関連を特定した初めての研究である。S-MASは、フィールド内でのスプリント走のメカニクスを評価できる。損傷との関連を考慮すると、リハビリテーションおよび損傷予防の一環としてスプリント走のメカニクスを評価し正しいフォームを獲得する、という方法論が正当化される。