肥満手術後の骨量減少予防にゾレドロン酸
Zoledronic acid increases spine bone mass and prevents hip bone loss after bariatric surgery: a randomized placebo-controlled study
背景
ビスホスホネート製剤ゾレドロン酸は、骨粗鬆症治療の標準薬だが、肥満手術後の骨量減少も予防できるか。
デンマークEsbjerg HospitalのGamらは、ルーワイ胃バイパス術(LRYGB)またはスリーブ状胃切除術(LSG)を受ける患者59名を対象に、術前ゾレドロン酸単回注入の有効性を検証するRCTを行った(対照:プラセボ)。
一次アウトカムは、術後12ヵ月での脊椎の体積骨密度(vBMD)の変化、二次アウトカムは、股関節および大腿骨頸部のvBMDと面積BMDであった。
結論
ゾレドロン酸の一次アウトカム効果を認めた[脊椎および股関節に対する推定平均治療効果は、各6.8 mg/cm3と5.0 mg/cm3であった]。
脊椎の骨量はゾレドロン酸群で2.6%増加したが、対照群では変化しなかった。
股関節の骨量減少は対照群と比較してゾレドロン酸群で予防された。
評価
肥満手術後の骨量減少の予防法として、カルシウム・ビタミンDの補給は、一般的だが効果は限定的で、運動介入は、よく遵守された場合にのみ有効である。使いやすいゾレドロン酸の有効性はパイロット研究で示唆されており、小規模とはいえ、RCTによるその確認は、一定のエビデンスをもたらした。