2D:4Dは運動中乳酸生成のバイオマーカーである:女性プロサッカー選手における検証
Is digit ratio (2D:4D) a biomarker for lactate in women? Evidence from a cardiopulmonary test on professional female footballers
背景
男性において、示指環指比(Digit Ratio[2D:4D])が、運動中の乳酸生成と相関することが示されているが、女性では。
イギリスUniversity of Central LancashireのParpaらは、女性プロサッカー選手25名を対象にトレッドミル検査を行い、2D:4Dと血中乳酸値の関連を検討した。
トレッドミル検査は時速6 kmで開始し、3.15分毎に2 km/hずつ速度を上げ、時速6、8、10、12、14 km/hで測定した。
結論
血中乳酸値は走行速度とともに上昇した。6〜12 km/hでは2D:4Dは乳酸値と関連しなかったが、14 km/hでは、乳酸値は右および左の2D:4Dと正の関連があり、身長および指長と負の関連があった。これらの相関は、サンプル全体および白人のみで有意であった。白人参加者では、右の2D:4Dは14 km/hで乳酸値と正の関連があり、身長はすべての速度で乳酸値と負の関連があった。
評価
この論文は、男性サッカー選手を対象とした昨年の論文に続くもので(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38555660/)、そこでは、出生前に低テストステロン・高エストロゲンに曝露された男性は、運動中の乳酸生成レベルが高いことが示唆されている。ここでの女性での結果は、類似的であるものの、男性での報告より効果サイズが小さく、より高速に限定されていた。また、女性では身長と乳酸生成の間に負の関係がみられ、男性とは異なる。著者らは、この性差は出生前および思春期のテストステロンとエストロゲンのバランスに関連する、と示唆している。