切迫早産に対するオキシトシン受容体拮抗薬atosibanは「無害無益」:APOSTEL 8
Atosiban versus placebo for threatened preterm birth (APOSTEL 8): a multicentre, randomised controlled trial

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The Lancet
年月
March 2025
405
開始ページ
1004

背景

切迫早産に対する子宮収縮抑制薬atosiban使用に新生児アウトカムに対する利点はあるのか。
オランダUniversity of Amsterdamのder Windtら(APOSTEL 8)は、欧州26施設において、妊娠30+0週〜33+6週の切迫早産を伴う単胎・双胎妊娠の18歳以上の女性755名をatosibanまたはプラセボに割り付けるRCTを行った。
一次アウトカムは、周産期死亡(出産後28日までの死亡・死産)と新生児の6種の重篤疾患罹患の複合であった。

結論

Atosibanのプラセボに対する一次アウトカム優位は示されなかった。
すべての死亡は実薬に関連せず、母体の有害事象に群間差はなく、母体死亡はなかった。

評価

Atosibanの標準使用には疑問が投げかけられており、すでに使用を停止した欧米大規模病院も多い。APOSTEL 8はその有用性をテーマとした最大のRCTで、「無害無益」を確定した。ガイドラインの調整に着手すべき時期が来ている。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell