切迫早産に対するオキシトシン受容体拮抗薬atosibanは「無害無益」:APOSTEL 8
Atosiban versus placebo for threatened preterm birth (APOSTEL 8): a multicentre, randomised controlled trial
背景
切迫早産に対する子宮収縮抑制薬atosiban使用に新生児アウトカムに対する利点はあるのか。
オランダUniversity of Amsterdamのder Windtら(APOSTEL 8)は、欧州26施設において、妊娠30+0週〜33+6週の切迫早産を伴う単胎・双胎妊娠の18歳以上の女性755名をatosibanまたはプラセボに割り付けるRCTを行った。
一次アウトカムは、周産期死亡(出産後28日までの死亡・死産)と新生児の6種の重篤疾患罹患の複合であった。
結論
Atosibanのプラセボに対する一次アウトカム優位は示されなかった。
すべての死亡は実薬に関連せず、母体の有害事象に群間差はなく、母体死亡はなかった。
評価
Atosibanの標準使用には疑問が投げかけられており、すでに使用を停止した欧米大規模病院も多い。APOSTEL 8はその有用性をテーマとした最大のRCTで、「無害無益」を確定した。ガイドラインの調整に着手すべき時期が来ている。