大規模プログラムでタンザニアの出産関連死を減らす
Outcomes of a Program to Reduce Birth-Related Mortality in Tanzania
背景
低所得国においては、出産関連死亡が第三の死因である。
ノルウェーStavanger UniversityのErsdalら(Safer Births Bundle of Care)は、母子へのケアの質を改善し出産関連死低減するためのケアバンドルを開発し、タンザニアの5地域にある負担の大きい30施設における母親281,165名、児277,734名を対象に、同プログラムの3年間のStepped WedgeクラスターRCTを行った。
一次エンドポイントは、周産期死亡であった(分娩時の死産と出生後24時間以内の新生児死亡を含む)。
結論
一次エンドポイント発生率の推定値は、プログラム開始時の1,000出生あたり15.3名から、実施後は1,000出生あたり12.5名に減少した(調整相対リスク 0.82)。地域間でかなりばらつきがあった。分娩時の死産の発生率は、ベースライン期間では1,000出生あたり8.6名、実施後は1,000出生あたり8.7名(1.01)であり、出生後24時間以内の新生児死亡の発生率は、それぞれ1,000出生あたり6.4名、1,000出生あたり3.9名(0.61)であった。重篤有害事象はなかった。
評価
このケアバンドルには、現場でのシミュレーションに基づく定期的なトレーニング、現地の臨床データの収集と活用、研修を受けた現地ファシリテーターによる支援、周産期ケアのための革新的なツールの使用が含まれ、Innovation-to-Scale awardを受けている。プロジェクト開始時、妊産婦死亡率は出生児10万名あたり260名であったが、現在、10万名あたり60名となっている、という。