アメリカの医療費支出が過去最高を記録、T2Dが突出
Tracking US Health Care Spending by Health Condition and County
背景
アメリカの医療費は世界最高だが、国内の地域差は十分に分析されていない。
アメリカInstitute for Health Metrics and EvaluationのDielemanらは、2010〜2019年におけるアメリカ3,110郡について、4つ医療費支出主体(メディケア・メディケイド・民間保険・自己負担)、148の疾患カテゴリー、38の年齢/性別グループ、7種のケアに応じて医療費を推定した。>
結論
期間中の個人医療費の76.6%が推定された。2型糖尿病(T2D)(1,439億ドル)への支出が最も多く、関節痛や骨粗鬆症を含む、その他の筋骨格系疾患(1,086億ドル)、口腔疾患(930億ドル)、虚血性心疾患(807億ドル)が次いだ。
総支出の42.2%は外来、23.8%は入院、13.7%は処方小売薬に費やされた。郡レベルでは、一人当たり支出の最少はアイダホ州クラーク郡の3,410ドル、最大はニューヨーク州ナッソー郡の13,332ドルであった。
郡全体で最も大きな差があったのは自己負担支出で、民間保険支出が次いだ。郡間の差異は、価格・ケアの強度の差異より利用率の差異によってもたらされており、メディケア以外のすべての支払者で、両タイプ間の差異は大きかった。
評価
アメリカの医療費の国内地域差を、郡レベルで明らかにした初めての調査結果である。アメリカの医療費は一人当たりで他の高所得国の約2倍だが、国内でも地域により4倍もの差があるということを明らかにした。著者らはまた、T2Dへの医療支出が突出していること、救急医療への支出が激増していることを指摘している。