細菌性腟症は性感染症、パートナーの治療を:StepUp試験
Male-Partner Treatment to Prevent Recurrence of Bacterial Vaginosis
背景
細菌性腟症(BV)は生殖年齢の女性の約3分の1に影響を与え、再発が多いが、性感染症(STI)とは認められていない。
オーストラリアMelbourne Sexual Health CentreのVodstrcilら(StepUp)は、一夫一婦関係にあるBVカップル164組を対象に、BV女性への第一選択抗菌薬を投与し、さらにその男性パートナーに経口抗菌薬(メトロニダゾール)および局所抗菌薬(クリンダマイシン クリーム)治療を行うパートナー治療の効果を、標準治療(女性への第一選択抗菌薬のみ)と比較するRCTを行った。
一次エンドポイントは、12週間以内のBV再発であった。
結論
パートナー治療群では対照群と比較してBV再発が半減することが明らかになったため、試験は早期終結された。
ITT集団のBV再発は、パートナー治療群で35%(再発率: 人年あたり1.6)、対照群で63%(人年あたり4.2)で、絶対リスク差は人年あたり−2.6再発に相当した。治療を受けた男性の有害事象には、吐き気・頭痛・金属味などがあった。
評価
BVの新しい治療法を提示するとともに、BVをSTIとして認知することを迫るパラダイム変換研究である。
著者らは、ゲノム解析によりBVの起因細菌種を特定することが次の課題である、としている。