思春期特発性側弯症患者にスマホベースの遠隔理学療法
Digital Physiotherapeutic Scoliosis-Specific Exercises for Adolescent Idiopathic Scoliosis: A Randomized Clinical Trial

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
JAMA Internal Medicine
年月
February 2025
8
開始ページ
e2459929

背景

思春期特発性側弯症(AIS)患者に対するデジタルサポートによる在宅理学療法の有効性は。
中国Peking Union Medical College HospitalのChenらは、一次湾曲Cobb角が10°以上で骨格未熟の9〜17歳のAIS患者128名を、完全リモートで側弯症に特化した運動療法(PSSE)を在宅で受ける群(DC)と、外科施設や診療所等で理学療法士が実施する3回のセッションを受けた後、在宅でPSSEを行う通常ケア群に割り付けるRCTを行った。
一次アウトカムは、介入開始から6ヵ月後までのCobb角の変化であった。

結論

一次アウトカムの改善は、通常ケア群と比較してDC群が有意に大きかった(ITT解析:−4.23°,  PP解析:−4.01°)。2群間の治療後の調整済みCobb角の差の平均は−4.24°で、4.0°の優位性マージンを超えた。

評価

同北京グループは、テレリハビリテーション研究を推進しており、腰痛への有効性を報告している(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11395168/)。今回のRCTは、スマートフォンアプリHealbone Intelligent Rehabilitation System(HIRS)を使った研究である。同システムは、PSSEトレーニングの遠隔モニタリングとガイダンスを脊柱側弯症関連の教育ビデオや記事と統合し、長期PSSEプログラムと日常の自己管理を行うユーザー中心のアプリケーションである。アプリ上で、患者の質問や懸念に迅速に対応する双方向のコミュニケーションが可能となっており、一定の有効性を示した。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy