ガーディアンキャップの使用は、高校アメフト選手のスポーツ関連脳振盪を減らすか
The association between Guardian Cap use during practices and sport-related concussion risk in high school American football players

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
British Journal of Sports Medicine
年月
February 2025
59
開始ページ
257

背景

アメリカンフットボールのヘルメットの外側に装着する保護具であるガーディアンキャップ(GC)は、頭部への衝撃を軽減できるという実験室結果に基づいて広く導入されているが、実際のフィールドでは。
アメリカUniversity of Wisconsin MadisonのHammerらは、ウィスコンシン州41校の選手2,610名における、GC装着/非装着コホートのデータを収集し、練習中のGC使用が、練習/試合中のスポーツ関連脳振盪(SRC)発生率に与える影響を分析した。アスレティックトレーナー(AT)が、2023年シーズンを通した練習と試合の曝露とSRCを記録した。

結論

6.9%にSRCが発生し、その36%が練習中(GC 51.6%、非GC 48.4%)、64%が試合中(GC 58.6%、非GC 41.4%)であった。いずれのコホートにおいても、選手は試合中にGCを着用していなかった。単変量解析でも、過去1年以内のSRCの既往を考慮した後でも、GC着用は、練習中と試合中のSRCのリスク低下とは関連しなかった。

評価

NFLは2022年に脳振盪の発生率が高いトレーニングキャンプからプレシーズンゲームにおいて、頭部への接触が多いポジションの選手へのGC着用を義務付け、2024年には試合での利用を許可した。一方、実際のフィールドでの有効性を直接示した研究はまだない。これは、高校生選手を対象として行われた初の前向コホート研究であり、意外にも無益と結論した。今後さらにデータが蓄積されていくことになるが、著者らは、保護具によって、SRCを回避できるという誤った安心感を与える可能性や、より攻撃的なプレーをする可能性があることを指摘している。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy