オビヌツズマブがループス腎炎治療薬に使える:REGENCY試験
Efficacy and Safety of Obinutuzumab in Active Lupus Nephritis
背景
活動性ループス腎炎成人患者に対する、標準治療へのオビヌツズマブの追加効果は。
アメリカHofstra UniversityのFurieら(REGENCY)は、271名の同患者(生検確診)を、標準治療(ミコフェノール酸モフェチルおよびグルココルチコイド)へのオビヌツズマブ追加と標準治療のみに割り付ける第3相RCTを行った。オビヌツズマブ群は、2つの投与スケジュールで投与した。一次エンドポイントは、76週目のcomplete renal response(CRR)であった。
結論
オビヌツズマブの一次エンドポイント効果を認めた(46.4% vs. 33.1%)。補体レベルの臨床的改善と抗dsDNA(疾患活動性および炎症のマーカー)の減少がみられた。
想定しない安全性シグナルは確認されなかった。実薬群ではプラセボ群よりも、重篤有害事象(主に感染症および新型コロナウイルス感染症[COVID-19]関連)がより多く発生した。
評価
この方向はまずリツキシマブで試みられたが、著効を確認できなかった。しかし、そこで示唆されたB細胞標的化の戦略が、CD20モノクローナル抗体オビヌツズマブで成功することになった。リンパ腫で承認されている既知薬であり、この適応での承認は確実である。