アルドステロン産生腺腫に対する内視鏡的超音波ガイド下高周波アブレーションの概念を実証:FABULAS試験
Endoscopic, ultrasound-guided, radiofrequency ablation of aldosterone-producing adenomas (FABULAS): a UK, multicentre, prospective, proof-of-concept trial
背景
片側性アルドステロン産生腺腫(APA)に対する新しい非侵襲治療法が開発された。
イギリスQueen Mary University of LondonのBrownら(FABULAS)は、左側APA患者28名を対象に、副腎小結節を選択的に破壊する超音波内視鏡下経胃高周波焼灼術(EUS-RFA)の前向概念実証試験を行った。
一次エンドポイントは安全性で、アブレーション後24時間または48時間における事前規定主要ハザード(胃穿刺・副腎穿刺/穿孔・出血・主要臓器梗塞)の発生である。
結論
PET-CT陽性結節はすべて超音波内視鏡プローブによって特定され、生検カテーテルとアブレーションカテーテルによって正常に貫通された。一次エンドポイントはどの患者にも発生しなかった。
3ヵ月後のPET-CT陽性APAによる放射性トレーサー取り込みの局所的減少は、参加者の75%における生化学的完全治癒または部分的治癒と関連し、参加者の43%における高血圧の完全治癒または部分的治癒と関連した。4名の参加者で、分子イメージング上のAPA消失が、すべての降圧治療を中止した状態での収縮期血圧/拡張期血圧135 mm Hg/85 mm Hg未満と関連した。
評価
Targeted Thermal Therapy(Tripel T)で、手技に要する時間は20分である、という。胃に近い左副腎のAPA治療において、副腎摘出術に代わる新しい低侵襲性治療法となる可能性がある。今回の結果を受け、TripleTと従来の副腎手術とを比較する大規模RCT(WAVE)が始まっており、結果は2027年に判明する、という。