非代償性肝硬変標準治療へのシンバスタチン・リファキシミン追加は無益:LIVERHOPE
Simvastatin and Rifaximin in Decompensated Cirrhosis: A Randomized Clinical Trial
背景
非代償性肝硬変患者に対する標準治療へのシンバスタチンとリファキシミンの追加は、重篤な合併症を予防するか。
スペインHospital Clinic de BarcelonaのPoseら(LIVERHOPE Consortium)は、非代償性肝硬変患者237名を対象に、標準治療へのシンバスタチンとリファキシミン追加(12ヵ月)の効果・安全性を検証する第3相RCTを行った(対照:プラセボ)。
一次アウトカムは、ACLF(慢性肝不全の急性増悪)の発生率であった。
結論
一次アウトカムにおいて、両群に有意差はなかった。
移植または死亡(治療群18.8% vs. プラセボ群24.2%、ハザード比 0.75)または肝硬変の合併症の発症(42.7% vs. 45.8%、ハザード比 0.930)がみられた。有害事象の発生率は両群で同様であったが、治療群の2.6%に横紋筋融解症が発症した。
評価
両薬はともに単剤で肝硬変への有益性が示唆されていたが、併用により肝硬変の重篤化を防止できる、という仮説は反証された。この方向での探索の可能性をほぼ閉ざす結果である。