新生児スクリーニングをゲノム解析で:GUARDIAN研究中間報告
Expanded Newborn Screening Using Genome Sequencing for Early Actionable Conditions
背景
多様な人種・民族における新生児マススクリーニング(NBS)検査に、新生児ゲノム配列解析を組み入れる事は実現可能か。
アメリカColumbia UniversityのZieglerらは、2022〜2023年にニューヨーク市の6施設における4,000家族を対象に、現在進行中のGUARDIAN研究の受容性・実現可能性・アウトカムの中間結果を報告している。一次アウトカムは、検診陽性率である。
結論
72.0%の家族が初期パネルに同意し、その90%が拡張パネルに同意した。
新生児ゲノム配列解析は99.6%で完了し、事前に定義された遺伝子パネルのスクリーニング陽性率(一次アウトカム)は3.7%であった。
最初のゲノム解析で、151名の希少疾患の可能性があり、その後の検査で120名の子どもが真陽性であることが分かった。120名中92名は、グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)欠損症であった。標準的スクリーニングで検出されたのは10名であった。
評価
現在の標準的新生児スクリーニングの対象疾患は60程度であり、ゲノムアプローチは桁違い(最低数百)の疾患をカバーできる。GUARDIAN研究はこのアプローチの世界リーダーであり、プログラム開始以来、12,000名以上の新生児が検査されたという。今後数年で10万名の新生児を登録し、遺伝子検査の利点と費用対効果の分析を推し進めていく予定である、という。