喘息の吸入療法:最新の系統レビュー・メタアナリシス
Inhaled Reliever Therapies for Asthma: A Systematic Review and Meta-Analysis
背景
喘息のリリーバー療法における最適選択は未だ明確でない。
カナダMcMaster UniversityのRaynerらは、短時間作用性β2刺激薬(SABA)単独と、SABA+吸入ステロイド薬(ICS)の併用、長時間作用性β2刺激薬ホルモテロール(LABA)+ICSの併用を比較する系統レビュー・メタアナリシスを行った。
一次アウトカムは、ACQ-5スコア・AQLQスコア・重症増悪リスク・重篤有害事象リスクであった。
結論
計50,496名を対象とした27件のRCTを解析した(平均年齢 41.0歳、男性41%)。SABA単独と比較して、LABA+ICS(リスク比[RR]0.65、リスク差[RD]−10.3%)とSABA+ICS(0.84、−4.7%)は、重度の増悪の減少と関連した。 喘息コントロールもLABA+ICS(RR改善 1.07、RD 4.1%)とSABA+ICS(1.09、5.4%)で改善した。両抗炎症戦略は、有害事象のリスクにおいて有意差を示さなかった。
評価
ガイドラインは、LABA+ICSをSABA単独より推奨している。FDAによるSABA+ICSの承認により、最適選択に関するデータが必要となって行われた、SABA+ICSをも含む最新のメタアナリシスである。SABA単独よりLABA+ICSやSABA+ICSが優る、という一般的見方を支持し、未だ行われていない本格的な両者の直接対決試験を呼びかける結果となった。