生活習慣の自己管理を個別化サポートして腰痛を管理:HeLP
Healthy Lifestyle Care vs Guideline-Based Care for Low Back Pain: A Randomized Clinical Trial
背景
腰痛管理に生活習慣のサポートを組み込むことで患者の障害を軽減し、QOLを高めることができるか。
オーストラリアUniversity of SydneyのWilliamsらは、慢性腰痛と少なくとも1つの生活習慣上の危険因子(肥満・不健康な食事・座りがち・喫煙)がある参加者346名をHealthy Lifestyle Program(HeLP)介入群と腰痛教育・アドバイス・運動を含むガイドラインに基づく理学療法群に割り付けるRCTを行った。
一次アウトカムは、26週時点での腰痛障害(Roland Morris Disability Questionnaire: RMDQ)であった。
結論
HeLP介入の一次アウトカム効果を認めた(群間差−1.3ポイント)。感度分析では、遵守者における障害への有益性の差が、HeLP群でより大きかった(−5.4ポイント)。HeLP群は対照群よりも体重減少が大きく(−1.6 kg)、QOLも大きく改善した(身体機能スコア 1.8)。
評価
HeLPは、生活習慣を変えることに重点を置いて自己管理を促すアプローチである。参加者は理学療法士・栄養士・健康コーチからサポートを受け、腰痛に影響している可能性のある生活習慣(肥満・座りがち・不健康な食生活・睡眠不足・喫煙・過度な飲酒等)を見付け出し、その後、発見した課題に個別に対処するため、6ヵ月間アドバイスを受ける、というものである。高度な個別化アプローチで、著者らは、ケアの複雑さ・コスト・遵守可能性が課題であるとしている。